現代齒手帖

山西歯科院長 永田のブログです。歯や口腔の健康などつれづれに。医院のhpはhttp://www.yamanishi-shika.com

「歯科医師考案 毒出しうがい」だって?

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週刊ポスト2017年9月8日号より

 

アヤシイうがいシリーズとしてあたためていたネタを

週刊ポストに抜かれましたよ!くそう!

 

子供の頃からやっていた

「ガラガラ、ペッ!」は大間違いだった!

話題沸騰 1日3回

毒出しうがい正しいやり方

考案歯科医が誌上指導

 

 歯学博士の照山裕子先生が提唱されていて、

「歯科医が考案 毒出しうがい」というタイトルで著書も出版されています。

 

「毒出し」というワードが

デトックス好きな自然派層にキャッチーだなと思います。

やるねー 照山先生!

 

今回は記事のみの情報で書いていきます。

 

やり方としては

①30mlの水を口に含む

②口を閉じて水を上あごの前歯にむけて強く速く10回ぶつける

③水を含み直して、同様に下の歯に10回

④右の奥歯、左の奥歯に向け各10回

1日3回食後に行う

 

だそうです。

 

やってみました。

 

 プラーク歯垢)チェッカーを用いての実験です。
プラーク表層の糖タンパクを染色し、
プラークの層が厚いほど紫ががって染色される薬剤を使いました。

 

f:id:kikubill:20170907090432j:imageうがい前

f:id:kikubill:20170907090436j:imageうがい後

 

染色されている範囲はかわりませんが、

染色がやや薄くなっているように見えます。

しかし

「こりゃー効果あったなー」

とは思えません。

プラークの層が薄くなるよりも、染色される範囲が狭くならないと意味ないです。

範囲が狭くなると、その部分のプラークが除去されたといえますが、

この程度薄くなっても、プラーク内の細菌は増殖し続けますから

二時間もしたら元どうりでしょう。

 

あー二時間後の写真撮っとけばよかったですね。

24時間歯磨き我慢してもう耐えられず

うがいしたらすぐ磨いちゃったのですよー。

次回頑張ります。

 

でね、このうがい法も全身的な健康効果を謳っています。

しかもこの記事では「毒出し」を大々的に喧伝しながらも、

なにが「毒」なのかこれっぽっちも触れてません。

 

記事における健康効果として

①虫歯を予防

   →食後口内のphを中性に速く近ずける、という意味ではうがいは有効です。

       ただし、普通のうがいで十分です。

歯周病を予防

   →実験より、歯茎近くのプラーク付着は変化なしですので

       歯周ポケット内に効果があるとは思えません。

③口内の筋肉を使うので唾液分泌が活性化し、乾きやすい人に効果

   →耳下腺などの唾液腺付近の筋肉を使うからでしょうか、効果のほどはわかりません

④頬の筋肉を使うので老け顔、法令線に効果あり

   →老け顔のかた!ビフォーアフターおねがいします!

歯周病は糖尿病、慢性腎不全のリスクを高め、認知症の原因にもなる

   →歯周病と健康リスクの話で引っ張っていく、よくある手法です。

       

  確かに歯周病と糖尿病、非アルコール性肝炎、リウマチ、早産など全身的な健康への悪影響や

欠損歯数と認知症リスクは証明または研究されています。

 

だからって、このうがい方法が歯周病予防に効果があると証明されていないのに

毒出しうがいで虫歯、歯周病を予防できる→糖尿病や認知症予防に!

っていう雰囲気

(あくまでも雰囲気。

   記事は読む人が歯周病予防、認知症予防 どっちでも取れるような書き方です)

を醸すのはどうなんでしょうか?

 

記事により

歯周病予防に取り組む方が増えて欲しいと願う反面、

 

そんなけったいな手間かかることしてないで、

最低1日1回夜の歯磨きだけは、イスに座って

歯磨き粉を付けず、手鏡で磨く部位をみながら、

シンプルな歯ブラシで

フロスまたは適切な大きさの歯間ブラシで

せめて5分くらいかけてみがいてほしい。

そのあとは普通にうがいしてぇー

 

と切に願うのです。

 

山西歯科

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