現代齒手帖

山西歯科院長 永田のブログです。歯や口腔の健康などつれづれに。医院のhpはhttp://www.yamanishi-shika.com

夜間授乳と虫歯、その対策(我が家の)

哺乳うしょくをご存知ですか?

 

 離乳時期を過ぎても(2歳以降くらいでしょうか)長期にわたって就寝時に母乳を与える、または人工乳や糖質を含む飲料を哺乳ビンに入れて飲ませているとおこりやすい乳幼児にみられる重症うしょくです。

 

 大阪大学小児歯科学教室の行った研究報告(http://web.dent.osakau.ac.jp/~pedo/research/researchcontent/01.html)によると、

 平成20年に大阪府吹田市保健センターが実施した1歳6か月児歯科健康診査を受診した2506人から、

 


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  うしょくがある子ども117人のうち哺乳うしょくは18人

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    少なっ!と思われるかもしれませんが、私自身5回くらい1歳半検診に出務していますが、このくらいの月齢で虫歯を見たことあったかなーどうだったかなーというレベルです。上記の表によると母乳摂取とむら食いがハイリスクであるという結果だったようです。

 

 歯科医師の常識から言うと、「口の中に食べ物、飲み物が長時間又は頻回にあることがハイリスク」ですから「間食の時間が不規則」や「間食の回数(3回以上)」よりも「母乳摂取」が上位であることに私はいささか驚きました。

 

「この哺乳う蝕の特徴は、スクロースだけではなく酸産生の基質となるあらゆる糖質を含む甘味飲料を飲ませながら寝かせるという習慣によって引き起こされるということである。就寝時には唾液分泌が減少するため、摂取された母乳や甘味飲料はそのまま口腔内に停留することになり、口腔細菌により代謝され、産生された酸が口腔内を覆うことになる。最初は産生された酸に最も近接する上顎乳切歯の口蓋側面がう蝕に侵され、次第に萌出しているすべての乳歯が侵される」(上記hpより引用)

 

  要するに夜間授乳、俗に言う添い乳が原因であるということです。

我が子が夜中ギャーンと泣く。どんどん高まるボルテージ。泣いてー泣いてー泣き疲れて眠るまでー、、、って寝ないし!集合住宅なので隣近所に迷惑、、、これで泣き止むならどうぞっ!と差し出してしまいますよね。この習慣が離乳期以降も続くことが虫歯になりやすい環境を作ります。哺乳う蝕はまず上の前歯の裏側からなりやすく、下の前歯はなりにくいです。これは哺乳時の舌の動きによるもので、哺乳時 上の前歯の裏と上顎の間に母乳やミルクが出るようにくわえ、この時舌は下の歯をカバーするような位置にあるためです。

 

上の歯はなりやすく、下の歯はなりにくい。

歯はだいたい下の前歯からはえてくる。

 

 じゃ、上の歯はえてくるまでに夜間断乳すればいいじゃーん と余裕をかましていたら、我が子の上の歯が生後7か月ではえてきてしまいました。離乳完了はだいたい一歳6ヶ月。この間をどう乗りきるか。歯医者として我が子が哺乳うしょくだったら、今まで患者さんに口酸っぱくしていたブラッシング指導なんて説得力なくなっちゃうし、一歳6ヶ月歯科健診でばれて「あの人歯医者なのに自分の子どもの歯もみがいてないのークスクス」って後ろ指さされる!

 しかし泣く子と地頭には勝てぬの諺にあるように、夜中フルスロットルで泣いてる赤子に対して授乳以外他の解決策を持っていない私。

育児書にはお茶やお水を飲ませてみてとか書いてあるので試してみても「なんじゃーこりゃー!」と払いのけられる。かといって真夜中に歯ブラシ取りに行って歯を磨く元気がこっちにはない。

確実に泣くし。ムムム

 

そこで考えついたのが「前歯の裏を拭く」です。

枕の下にガーゼを忍ばせておいて、むこうが満足して「スヤァ、、、」となりかけた隙をついて人差し指に巻き付けたガーゼで 上の前歯の裏をぐいっと拭く。我が家はこの方法で泣かれたことはありませんでした。夜中の授乳後ほっとくよりはなんぼかマシ、という程度かもしれませんが。夜間断乳が難しくお悩みの皆さん、よかったらお試しください。

 

 ところで前から疑問だったのですが「添い乳」はなんと読むのが正解なのでしょう?ニュウかチチかわからず発音しないまま我が子の卒乳(この場合はニュウですよね?)を迎えたので判然としないままです。

 

高槻市 山西歯科

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